2009年3月11日水曜日

酒と涙と男と女(アナザーストーリー)  

 「私は上に行くからね、もう行った方がいいしょ」なんて店の人に言ってニヤニヤしていた。私は帯広で「焼き鳥屋」に入った。以前にも何度か父と行った事がある店。店主が替わったのかなと思った記憶がある。その時は「中川一郎」の事は帯広に行けば聞けるかもしれないと思い行ったのだった。しばらく一人で飲んでいると入って来て私の横に座ったのがこの「とぼけた」オバサン(おばあさん)。焼き鳥屋なのにまっ白い服、随分お洒落だったのでホステスのボスかなと思った。私が「中川一郎先生の事知ってますか?」と聞くと「知ってるよ」と。「昭一の時代だからね」と。「ぜんりんビルに事務所あるから行ってみれば」と。そして何度か店の人に「私は上に行くからね」を繰り返していた。オバサンは「手羽先」を食べて出て行った。結局、私は何も解らなかった。が、私が店を出て見上げて見ると、その店に二階はなかった。次の日、ぜんりんビルに行っても中川先生の事務所はなかった。あったのは臨床検査センター(伊達の会社)と阿がん宗(字忘れた)と歯医者と・・・。まあ、昭一の時代でわないと言う気もないし言ってみたところでどうにもならないのでしょう。ただ、私は今も「中川一郎」が何を考え何をしたかったのかを知りたいだけである。あのオバサンが誰かの見当も、あのオバサンの言葉の意味も気が付くまでには随分時間が必要なのであった。つづく

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